テレビの力で行方不明者や、記憶喪失者の身元を探す番組「緊急！公開大捜索」ですが、毎回、やらせ疑惑が浮上して炎上しています。
例えば、秋田で記憶を失ったという外国人ジョン・スミスこと、イムス・カイル・リーの捜索では、番組放送中に身元が判明。
ふつうなら、これで一件落着となるところなのですが、イムス・カイル・リーについては、大阪西成の男性からの情報で記憶喪失を装っていることが指摘されたのです。
すると、とっくに身元が判明しているのに、身元を隠しながら番組で情報提供を求めたとして、ネットが炎上。
外国人の公開大捜索は、番組史上異例のことでしたが、視聴者からやらせ疑惑が取り沙汰されたのです。
そこで今回は、記憶喪失テレビ「緊急公開大捜索」のその後や、やらせ疑惑、菊園夏樹と林田遼太郎が同一人物と判明した放送回を振り返ってみたいと思います。
公開大捜索 その後とやらせに炎上
「公開大捜索」のやらせ疑惑で炎上したのは、2018年の放送回で、外国人の男性がジョン・スミスの仮名で出演したときでした。
番組放送中に情報を寄せてきた男性によると、ジョン・スミスはイムス・カイル・リーという名前であることが判明。
しかも、ジョン・スミスと名乗っているが、自分のことを分かっており、一度アメリカに帰国していることを暴露したのです。
（ジョン・スミスことイムス・カイル・リー）
その後も、本人のものと思われるフェイスブックが発覚し、ビザ期限切れを免れるために演技をして番組に出演していたことが判明。
「緊急！公開大捜索」は、ろくに調査もせずに記憶喪失者を番組に出演させているとして、炎上し、たちまちやらせ疑惑が浮上したのでした。
一方、放送が終了したその後の情報から、行方不明者がどこの誰なのか成果を得た例もあります。
それは、2017年に放送された「緊急！公開大捜索 2017」に出演した田中勇一（仮名）さんでした。
ただ、この回は、視聴者から不満の声が続出。
進行がモタモタしてイラつく人や、番組の最後で放送がぶつ切れたことに怒る人。
さらには、出演者の公開捜索をして、その後どうなったのかを知らせないことに不満を持つ人など、番組を見ていても後味が悪いと感じている人が大勢いたのです。
そんな声を知ったのか、番組側は前回出演した田中勇一（仮）さんのその後に密着したものを放送し、無事身元が判明したのです。
（田中勇一こと森聖仁さん）
田中勇一さんの放送回の概要をまとめると、このようになります。
・田中さんは2012年9月、佐賀県唐津市内にある公園で保護されたときから記憶喪失に気づいた。
・トイレで倒れているところを保護され、極度の栄養失調で2か月ほど入院。その後、佐賀県内の施設に入所した。
・当時の田中さんは身元が分かるものは何も持っていなかった。
・田中さんの記憶は、自分の名前と生年月日が平成5年3月ということや、両親の名前をかすかに覚えている程度。
・田中さんの情報を元に警察が捜査を行ったが、田中さんに該当する人物の捜索願いは出されていない。
・鉄道好きと分かった田中さんに車両の写真を見せると「特急スーパーおき」に見覚えがあることが分かった。
・田中さんが保護された場所の唐津駅から最後の記憶がある益田駅までを田中さんとスタッフが電車に乗車して記憶を辿った。
・結果、段々と記憶が戻りつつも益田駅より北方向については思い出せなかった。
結局、田中さんの記憶は益田駅止まりでしたが、かといって益田に住んでいた覚えはないということでした。
そこで、スタジオに田中さんの同級生だと名乗る女性から電話がかかってきたのです。
電話の女性からは、話した事はあまりないが、高校の卒アルに写る人物の顔と田中さんがそっくりだという情報でした。
さらに、同級生を名乗る女性いわく、高校の所在地は愛知県で、田中さんの名前は「森聖仁」さんだと説明。
田中さんのほくろの位置が卒アルに写る森聖仁さんと同じで、同級生がみんな「絶対そう」と言っており、それで代表して連絡をしたということでした。
そして、スタジオには高校の卒アル写真が送られてきましたが、画面に見せられないということでMCの恵らが写真を確認。
すると全員が同一人物に見えるとの感想をもらしたのです。
（森聖仁さんの卒アル写真）
卒アルの高校は愛知にある豊田北高校。
そして、ほぼ田中勇一さん＝森聖仁さんで間違いということで、一件落着したのです。
公開大捜索のその後 林田遼太郎はツイッターの成果？
「緊急！公開大捜索 2017」では、田中勇一さんのほかに、記憶喪失の男性が出演し、身元が林田遼太郎さんと判明しました。
男性の名前は菊園夏樹（仮名）さん。
菊園夏樹（仮名）さんは、2016年3月3日に愛知県春日井市で発見され、その後警察に保護されたということでした。
ただ、菊園さんが田中さんと違う点は、少し記憶が残っていた田中さんと違い、まったく何も覚えていなかったのです。
それに、発見されたときには身元を証明できるものを一切持っていない状態。
手がかりとなるものが一つもない状況でしたが、放送中の電話で菊園さんの身元が判明したのです。
菊園さんの件で最初に電話を掛けてきたのは、中学1年のときの担任。
さらに、担任教師の生電話によって、菊園さんの名前が「林田遼太郎」さんであることや、出身校や部活などもわかったのです。
そして次に菊園さんの姉という女性から電話が掛かり、本人と電話がつながれました。
姉を名乗る女性は菊園さんの兄弟を3人兄妹と説明。
さらに行方不明になったのは、2015年3月3日で、一緒に暮らしていたわけではなく、そんなに離れていなかったが、中々会うことができない距離のところで別々に暮らしていたことを伝えたのでした。
（菊園夏樹こと林田遼太郎さん）
しかし、ネット上では姉を名乗る女性の態度がおかしいと、話題に。
「行方不明だった弟がようやく見つかったというのに、なぜヘラヘラ笑っている？」「弟に掛ける言葉が、”また会えたら”っておかしくね？普通早く会いたいだろ」「何かぜんぜん姉っぽくないし、ニセ者？やらせ？」などといった声が寄せられたのです。
しかも最後は、中途半端なところで番組が終了するなど、批判の声が集中。
姉を名乗る女性のことはさておき、担任の電話から菊園夏樹さん＝林田遼太郎さんと判明したのですが、番組終了後、思わぬところで「炎上」の火の手が上がったのです。
それは、ツイッターの成果によっても、菊園さんが林田遼太郎さんだったことが判明したのですが、学校の同級生だったと見られる男性のツイートで、林田さんの過去にいじめ問題があったのが発覚したのです。
結局、分かったことは、菊園さんは京都府の大山崎中学校で水泳部だったこと。
高校は京都府舞鶴市にある、舞鶴工業高等専門学校で、行方不明の原因がいじめだったことがツイッターで判明したのでした。
その後、番組では、話の途中で放送がぶつ切れ。
ようやく身元が分かったにも関わらず、なんとも後味の悪い結果となってしまったのです。
